ふらくちゅえいしょん

いつまで経っても古いロックと少女マンガ漬け

AneLaLa LaLa7月増刊号

内容紹介(Amazonから)

------------------------------------------------------------------
超豪華執筆陣! オール新作読切!
オトナガールに贈るLaLa新増刊
AneLaLa
------------------------------------------------------------------
「恋で、仕事で、熱くなる。キレイになる。」をテーマに、
いつものLaLaとはひと味違う、「オトナ」の恋とドラマをお届けします!


白泉社の少女漫画、とくにLaLa好きな私にとっての唯一の不満と言っていいのが、ベテラン・中堅作家さんの描く雑誌がないことでした。LaLaとLaLaDeluxeという2冊だけでは、魅力的な作家さんの作品を読むには少なすぎると思っていました。

そんな理由かどうかはわかりませんが、ここ最近の白泉社の作品供給数の増加はうれしい限りです。花とゆめonlineに始まり、テーマを決めた「ザ花とゆめ」シリーズ。LaLaの色シリーズ。そして、このAneLaLaです。色シリーズは個人的な理由から購入しませんでした…。失敗です。

そのためAneLaLaには期待していました。

さて、いままでこのblogではネタバレなしに記事を書いてきましたが、これからはネタバレありで書いていこうと思います。検索でいらっしゃる方が多いのと、なかなか漫画の魅力を伝えきれない、そんな思いが生じてきましたので。


津田雅美 - 十年後、街のどこかで偶然に my favorite things

「オトナ」というテーマの1作目としては完璧なスタートだと思いますが、ちょっと文具と左官、さらに音楽と3つの題材と入れるにはページ数が…。しかし子供とオトナの対比部分の描写はさすが、津田雅美さん。秀逸でした。終盤の「大人ぶったけれど!! 未練!!」なんて箇所は好きなシーンです。もう少し年を取ると、図々しくなるんですけれどね…


マツモトトモ - インヘルノ

相変わらずシャープなお話です。しかし高校生はオトナなんでしょうか…。実の姉弟のお話で、姉が鈍いのかどうなのか、最後まで判断に苦しみましたが、弟の想いをわかっていているんだろう、というところで自分の中では落ち着いています。そうじゃないと、あまり面白くないので…。

と思ったら次号に続きがあるのですね!


葉鳥ビスコ - プティトウ・ペッシュ! 

いやいや。脱帽です。絵柄、物語、構成力が凄い方だとは思っていましたが、久々に読んだこの短編は完璧です。前作がすこし自分と合わなかったので、びくびくしながら読んでました。勝手に恋愛ものだと思っていたので、女子しか出てこないとは思いませんでした。依子とたつ子のコンビをもう少し読んでみたいです。


筑波さくら - そらのおと

「よろしくマスター」以来の連載でしょうか。毎年1冊出ているのが楽しみだったのですが、3巻以降発売されないのが寂しいです。「ペンギン革命」も面白い作品だったのに、次作がなかなか出ていないのが残念でした。そこにきて、新作が読めるとは!読んでいるうちになんとも中途半端な出来だなぁ、と思っていたら、続きがあるのですね!そう思うと、鈴の同級生と、文乃さんの存在が急に気になり出します。しかしボーカルで歌が下手というのは致命的な気がしますよね…。


なかじ有紀 - 京・かのこ

じつはあまり得意な作家さんでは有りません。LaLaでの作品は読んでますし、隣のシリーズや、「小山荘のきらわれ者」とか好きなのですが、他の作品はどうも同じ設定、同じ終わり方をしているようで、どうにも…。今回も同様にならなければよいのですが。しかしこれも「オトナ」なのかな?


森生まさみ - 愛が地球を救うのだ! 

もう真骨頂ですね。たまりません。と感じたのですがあまり男性が年上のパターンというのは「聖・はいぱあ警備隊」以来ですかね。天然のまことと、徹。だんだん徹が落ちていくのが目に見えそうで、たまりません。これまた続きがあるようなので、次回も楽しみです。


草川為 - 今日の恋のダイヤ

一番気になっていた作品。そして「プティトウ・ペッシュ! 」と双璧をなすお気に入りの作品!! とにかくファンタジーの作品しか読んだことがないので、おそらく初の現実の物語ものでしょうか。それでこの完成度!素晴らしすぎます!瀬戸さんが楡原のところに歩み寄って「言いたいことがあるなら 今話してくれないか」なんてシーンは鳥肌ものです。それに至るまでの瀬戸さんの観察眼のすごさが伏線になっているのも凄い!いやもう、たまりません。

タイトルの意味が理解できませんでしたが、次回の主人公は鞄を間違えた人のようですので、何となく理解できました。これまた次回が楽しみです。


斎藤けん さみしいひと 

この読後のやるせなさ感…。すくなくともこの話だけでは救いが無い内容でした…。「序曲」とタイトルにあるので、続きがあるのですよねっ!ねっ!

と思ったら最終ページに続きが有ることが書いてありました。良かった!


唐沢千晶 - 田舎の結婚

短編のお手本のような作品で、安定感抜群。しかも起承転結がはっきりしているので、読み飽きません。こちらはシリーズ化で別な主人公になるみたいなので、楽しみです。


すべての作品が面白かったので、満足感が非常に大きかったです。が、「オトナ」という範疇が曖昧でAneLaLaに載せなくても、という違和感があったのも事実。メロディの様にしっかりとカラーをこれから決めていくのでしょうか。次号も購入決定です。田中メカさんの読み切りもあるしね!


AneLaLa (アネララ) 2013年 07月号 [雑誌]
津田 雅美 葉鳥 ビスコ マツモト トモ なかじ 有紀 森生 まさみ 草川 為 筑波 さくら 斎藤 けん 唐沢 千晶
白泉社 (2013-06-05)