ふらくちゅえいしょん

いつまで経っても古いロックと少女マンガ漬け

椎名橙 - それでも世界は美しい 3巻

内容紹介(Amazonから)
雨の公国からニケの歌の師匠でもある婆が危篤との知らせが! 彼の神秘の国を訪ねたニケとリビを待ち受けるのは…? 2012年12月刊。

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バルド編の完結。そして雨の公国編の開始となります。

前者はリビとバルドとの気持ちのすれ違いを描いたモノの完結です。目新しさは確かに無いかも知れませんが、どんどんと引き込まれる話の作り方が素晴らしいです。

雨の公国編は次巻まで続く話となります。ニケの生まれた雨の公国へリビとニールと行くことになりましたが、そこでとんでもないことが起こります。

全巻を通じて思うのが、ニケのがんばりです。何事にも一生懸命で、また細かいところに気がつくところが良いです。そして自分のことは無頓着。すぱっ、すぱっとまるで江戸っ子の様で、リビへの気持ちの変化も読んでいて、読後感がいつも非常に良いです。

私は花とゆめコミックスを中心に読んでいますが、購読誌はLaLaのみなので、椎名橙さんの名前を知ったのは「不思議のマリア君」でした。吸血鬼もの、つまりファンタジーです。ファンタジーが苦手なのですが、手に取ってみると、新人作家さんの初々しい筆致、ストーリー展開が面白くて、以降の作品も読み続けています。

非常に苦労をされたようで、HMCで受賞後に連載まで6年かかっています。今注目されている天乃忍さんと重なるところを感じます。

元々ストーリー展開は上手ですし、絵柄もここ数巻で格段に洗練されてきていますので、今まで以上の注目を浴びるまで時間はかからないでしょう。

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